まじめにヘルメット療法について語ってみる

赤ちゃん・発達

最近ヘルメット療法について質問されることが増えてきたので

私なりの考えをまとめてみます。

あくまで現時点の考えなので、1年後には違うことを言っているかもしれません。

赤ちゃんの頭の変形や絶壁について調べると、ヒットすることがあると思います。

簡単に言うと、変形した頭にヘルメットをかぶせて、キレイな形にしていきます。

考え方としては歯の矯正をイメージしていただくとわかりやすいと思います。

理想とする形になるように型を作って、その形に寄せていくという。

この話をしている時、知り合いが

「丸いスイカを四角に育てるのに似てるね」と言っていて

かくかくした頭を丸くしたいので、目指す形は逆方向ですが

上手いこと言うな~、と感心しました

昔は東京女子医大病院までいかないと受けることができなかったのと、

治療費が高額なのでそれなりにハードルの高いものでした。

最近では栃木県内でも受けることができるようになり、栃木県民には治療のハードルが少し下がったようですね。

ヘルメット療法のサイトを見ると、頭の変形がいかによくないか、ということが切々と描かれています💦

頭の形がきれいに越したことはないのは同感ですが

それが全てだとも思わないので、

あまり不安をあおるのもいかがなものか、というのが正直な感想です。 

確かに

 頭蓋骨は脳の入れ物なので、それが凹むと程度によって脳にも圧力がかかりますし

頭の形に左右差が出る変形だと、顔の正面と体の正面にずれが出て、自分の思った方向へまっすぐ進めなくなるということもありますので

変形しないならもちろんしない方がいいです。

前提として、

頭の形を整えるという目的だけなら現存する対処法としてヘルメット療法に勝るものを私は知りません。

ただし!

頭の形だけにとらわれすぎてしまうと、大事なことを見落としてしまいます。

そもそもヘルメット療法が必要なほど頭が変形している赤ちゃんは

頭のコリ、肩こり、お腹パンパン、反り返る、背ばいする、横抱きするとぴちぴち跳ねる、

授乳間隔が空きにくい、おならと一緒にかする程度のうんちがおむつにつく、眉間にしわ、

乳児湿疹・・・などなどたくさんの問題が一緒に起きています。

これは決して別の問題ではなく、大本をたどれば同じ原因であることが多いのですが・・・

ヘルメット療法をすることで、その問題がさらに助長されることもあります。

なぜかというと・・・

まずは、想像してみてください。

ヘルメット療法は、お風呂以外24時間ヘルメット着用が基本です。

もし、自分がお風呂以外のほぼ24時間かぶって生活するとしたら、それは快適ですか?

多分一晩で頭痛や肩こりを訴える人は少なくないと思います。

それが、数ヶ月続きます。

自分だったらどうでしょうか?

首座り前や、首が座ってまもまくの時期なら、たとえ軽量の素材であっても、自分の頭の重さが増えるので、支えるのが大変になります。

抱っこする人がそれを理解して支えてあげるのかどうか、

夜寝るときどうしたら首や方に負担がかからないか気遣ってあげられるかどうかで

生活の質が変わります。

ちなみに、ヘルメット療法をやっているいないに関わらず、頭の変形が気になる方は、まず頭皮をやわらかくしないと変化しにくいです。

頭蓋骨は頭皮に包まれています。

骨が膨らもうとしても、頭皮がかたいと膨らもうとする頭蓋骨を邪魔してしまい膨らむことはできません。

では、頭皮をやわらかくするにはどうしたらいいのか。

皮膚は1枚でつながっています。

体全体がやわらかくなるようにすることです。(柔軟性とは別物です)

つまり

結局は頭だけ、その部分だけではなく全体を見ることが大切なんです。

私がいいたいのは、目の前の、目につきやすい問題にとらわれて

他の大事なことを見落とさないでほしいということです。

頭が変形していない方がいいということは多分誰でもわかると思います。

でも、多少変形していても普通に生活している大人はいっぱいいます。

患者様でも「絶壁です」と自己申告される方は多いですし、

私自身も右後頭部がけっこうな絶壁です。

そのせいか、10代の頃はまっすぐ歩いているつもりで隣を歩く友人にどんどん寄って行ってしまったり、

脇にある障害物に気づかずにぶつかったりした過去があります(苦笑)

肩こりがあるのに自覚がなく、よく偏頭痛を起こしては痛み止めのお世話になったりもありました。

で、何が一番きつかったかというと、

偏頭痛でした。

他のことも、そりゃない方がいいに越したことないと思っていますが

普段が快適であることが一番です。

たまたま整体に出会って、頭の絶壁の影響を知り

自分が右絶壁であるとそこで知り

あれやこれやと試したり、勉強していくうちに右の絶壁はだいぶマシになりました。

もちろん、大人になってからの話です。

そして、自分が万年肩こりであることを自覚できるようになり

肩こりのないときがあるようになり

今は、ときどき肩がこる程度になりました。

ヘルメット療法どう思いますか?と質問されることは少なくありません。

結局はママが何を優先するかという話で

やるもやらないも自由だし、

どんな療法にもメリットとデメリットがあって、単純にいい悪いでは片付けられません。

だからこそ、全体を見て判断してほしいのです。

なので、なってもやらなくてもどっちでもいいと思うけど

どちらにせよ、それによって起きるデメリットの対策はしてね。

というようなことをお伝えしています。

頭のことで相談しているのに、体のコリの話をされて面食らうママも珍しくないです。

具体的な話をすると、ちゃんと聞いてくれます。

例えば

ヘルメット療法をやっていたら、頭はキレイになったけど・・・

うつ伏せで頭が上がらなくてはいはいしなかった

とか

反りかえりがずっと続いて、立ってもそるから後ろに転んで後頭部強打しちゃう

とか

派手に転んだ時に手が前に来なくて前歯折れちゃった

とか

ならないように・・・

ちなみにちゃんと気にかけてあげて、対策してあげれば全部防げます。

────と。

大切なのは

知っている(知ろうとする)こと、気にかけてあげること、ケアしてあげることです。

それは頭の形の話だけではなく、すべてにおいて言えることです。

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