行動を変える

先日、出身校から届いたニュースレターを読んでいて、

ふと看護学生時代を思い出しました

1年生の時に「看護学概論」という授業がありました。

大嫌いで試験も落第して散々な思い出しかない科目です。

まあ、要は看護とは何ぞや、とか基本的な考え方とか、

看護を学ぶ上での大前提を学ぶ授業だったのですが、

何も知らなくても気持ちがあれば患者さんと向き合える

とか

甘っちょろい考えでいた私にとっては

地味すぎるただの退屈な授業でした。

でも、卒業して20年経ちますが、

卒業後に思い出すのは

けちょんけちょんだった看護学概論と

ギリギリ滑り込みでしか合格しなかった基礎看護技術だったりします。

あんなに嫌いだったのに、全然覚えられなかったはずなのに

つまらないと思っていた基礎こそが大切だと気づいたのは

ナースとして仕事を始めた後でした。

学生の時は机上の空論としか受け取れなかったものが、

臨床で働いていると本当にそうだ、と実感できたのです。

それは今の整体の世界でも同じことで、大師匠も「基本が大事」とよくおっしゃいます。

基本の大切さを、年齢を重ねるごとに思い知る今日この頃です。

話がそれてしまいましたが、今日のテーマは「行動を変える」です。

専門的に難しく言うと「行動変容」なんて言ったりします。

もともとはプロチャスカという人物が禁煙の研究から提唱した考えです。

人が行動を変える場合は

「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」の5つのステージを通ると考えられます。

行動変容のステージは

無関心期―6か月以内に行動を変えようとは思っていない

関心期―6か月以内に行動を変えようと思っている

準備期―1か月以内に行動を変えようと思っている

実行期―行動を変えて6か月以内

維持期―行動を変えて6か月以上

と分類されます。

細かい期間的な定義は、まあ置いておいて

大切なのは、無関心な状態では行動に結びつかないということ、

動機付けがあっても、実行するにはもう一段階あるということ。

健康を目指すには

まず健康になりたいと関心をもつことが第一段階です。

自分が不健康であるということに気づいていない人は、

行動を変えようなどとは思いません。

わかりやすいのは病気になった時です。

今のご時世だと、

コロナにならないように新しい生活様式に変えるということも

行動変容のひとつです。

自分や身近な人が大きな病気をすると、急に不安になり、

なんとかしないと!とすぐに動くことがあります。

状況が重ければ重いほど行動までの時間は短くなります。

逆になんとなく健康にならないとなあ、くらいに思っている状態では、

決定的な事件が起きないといつまでもだらだら行動に移れないパターンが見られます。

行動を起こすためには、まず「気づく」ことが大切です。

そして気づくためには体調の変化に「気づける体」でなければいけません。

病気になったら気づくでしょ、という考えもありますが、

それが軽いものであればよいですが、癌などに代表される大病では大事件になってしまいます。

まったく不調の自覚のなかった人が、治療やセルフケアで少し状態が良くなると

「自分はこんなに体が悪かったのか」

と気づくことはよくあります。

その段階で早めに気づいて、関心をもって

状態を上げていくことが大切です。

このブログをお読みの方は健康に対して少なからず関心がある方だと思いますが

皆さんの身の回りにも

どうしてあんなに具合が悪そうなのに気にならないのだろう?

どうして生活を変えようとしないのだろう?

と不思議に思うような人がおられるかもしれません。

それは、もしかしたら「気づいていない」だけなのかもしれません。

大切な人に気づいてほしい時は、

ちょっと意地悪ですが、実際に病気になったときの具体的に怖い話をしたりして

「このままではまずい!」と思わせることが手っ取り早いそうですよ。

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